bloodthirsty butchersの吉村さんのこと

bloodthirsty butchersの吉村さんが亡くなったというニュースを見たのは、
木曜日の昼食時にスマホを見てだった。まだ、46歳。
死ぬには早すぎる。。。

僕は吉村さんの事を二十数年前から知っている。いや、知っているなんて言えないな。
学生の頃、僕がやっていたバンドのライブ会場で、何度か見かけたことがある。
すれ違ったことが数回ある、というのが正確な所か。
僕がやっていたバンドは、当時ポストパンクとかニューウェーブと言われていた
音楽をやっていて、吉村さんがやっていたbutchersは、所謂ハードパンクだった。
バンドをやっていると同じくバンドをやっている顔見知りがどんどん増えていく
ものだけど、ハードパンクとニューウェーブのシーンは交わることもなく、僕が
吉村さんと知り合うことも無かった。
その街のパンクシーンには、butchers、後にeastern youthになるスキャナーズ、
そして怒髪天がいた。良く考えたら、凄いシーンだ。
交わることのないパンクとニューウェーブという2つのシーンにもかかわらず、
吉村さんがニューウェーブ側の僕等のライブ会場に来ていたのはどういった理由なのかは
わからない。僕等を見に来たのか、僕等の対バンを見に来たのか、単にライブハウスに
来るのが好きだったのか。。。
僕のバンドのボーカルのコーメイに、「また、ブッチャーズ来てるよ」というと、
「こういうの好きなんじゃないの」という会話をしたことをおぼえているけど、
何故僕等は彼がブッチャーズのボーカルだって知っていたんだろう?

僕がやっていたバンドは数回のライブをしただけで解散し、大部分のメンバーは
上京したものの、僕は違う人たちと新しいバンドを始めた。確か、その頃、雑誌で
eastern youthのインタビューを読んだことがあったが、恐らく海外のOiパンクの真似を
して右翼っぽい発言をしているのを読み、くだらねーこと言ってるぜ、と思い、
元々興味は無かったが、butchersに対してもeastern youthに対しても、ますます
興味を失った。
その頃仲良くなったバンドは、所謂オルタネイティブと言われるような音楽を
やっている人たちで、SONIC YOUTHやDINASOUR JRを好きな人たちが多かった。
しかし、僕が家で聞いていたのは、FUNKADELIC、PARLIAMENT、じゃがたら等、
黒っぽいものばかりで、自分がやりたい音と実際にやっている音の乖離がどんどん
激しくなっていった。その中途半端な音楽性のせいか、単にボーカルが凶暴だった
せいか、ライブハウスのブッキングで、よくおっかないパンクバンドと対バンさせられた
のには、まいったけど。。。
結局、上京してやった幾つかのバンドはどれもパッとせずに解散。PUBLIC ENERMY、
BEASTIE BOYS、DE LA SOULの洗礼を受け、僕はもうHIPHOPしか聞かなくなって
しまい、バンドをやることもなくなってしまった。

そして、1998年。咽頭炎で高熱を出し、入院していた僕を見舞ってくれた友人が、
音楽雑誌を差し入れてくれ、その雑誌に載っていたeastern youthの短いインタビューと
アルバム「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」のレビューにピンと来て、退院後すぐに購入。
一時期「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」だけしか聞かないほど、やられました。
そして、eastern youthだけではなく、butchersもまだ活動していて、アメリカツアーを
やったりしていることを知り、bloodthirsty butchersも聞いてみた。正直、まるで、
SONIC YOUTHみたいだ、と思った。。。

僕がこれからbloodthirsty butchersを熱心に聞くことは無いと思うけど(だって、僕は
Kendrick LamarとJanelle Monáeにはまっているんだもの)、かつての僕であれば好んで
聴いたであろうbloodthirsty butchersの音楽が独特の世界観と美意識から成り立っていて、
二十年以上も恐らく妥協せずに音楽を通してその世界観を表現するということは、
おそろしく強度を求められることであるとは想像できる。
僕がすれ違った時の吉村さんは、わりと小太りの威勢の良いお兄さんという感じだったが、
今、YouTubeで見ると、まるで宗教家のような顔をしている。
表現だって、ある程度継続しなくては世界観なんて獲得できないし、それを描き出す術を
手に入れることもできないとわかるけど、僕は、そのような術を手に入れる前に音楽を
止めてしまった。それをやり抜いた吉村さんを素直にリスペクトします。
まだ道半ばで心残りもあるのかもしれないけれど、今はゆっくり休んでください。
盟友のこの曲が、残された僕等の気持を代弁しているようです。

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eastern youth - 青すぎる空


この記事へのコメント

ヤマザキでおま!
2013年06月01日 19:49
わはは、確かに怖そうな兄さんたちとの対バンが多かったかもね。
あと、薬物系の・・・。

eastern youthは“口笛、夜更けに響く”も好きです。
2013年06月03日 13:42
ヤマザキは、あの時居たっけ?
対バンのパンクバンドが演奏中に、
もう一つの対バンのメンバーがナイフを
持ってステージにあがり、それだけでも
びっくりだけど、演奏中のギタリストが
蹴り一発で撃退した時に。
そういうのってシミュレーションしてないと
難しいとおもうけど、彼はギター弾きながら
襲われる練習とかしてたのかしら?
何れにしても、感心してしまいます。
ヤマザキでおま!
2013年06月03日 20:09
その事件の時はいなかったですね。
ケンカ慣れしてるというのか、
“向かってきたらとりあえず蹴る”みたいな。
2013年06月03日 23:31
でも、不思議なのは、多少ザワザワしたけど
お客さんも居なくならなかったし、ライブは
その後も普通にとり行われたんだよね。
僕らもいつも通り演奏して帰りました。

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